ウクライナ発 | 今注目したいハンドメイドギター「Valiant Guitars」の魅力をギター専門店が徹底解説

音楽、楽器コラム

はじめに

今回はウクライナ発のギターブランド、Valiant Guitars(ヴァリアントギターズ)の紹介です。

日本国内ではまだ流通量が多いとは言えず、名前を聞いたことがある方は限られているかもしれません。

Valiant Guitarsについて

Valiant Guitarsは、30年以上のギター製作経験を持つGavrilenko(ガヴリレンコ)兄弟によって立ち上げられました。
自社工房で一本ずつ丁寧に製作を行い、ブリッジやナットなどの主要パーツの多くを自ら設計・製造しています。

兄のVadym氏(ヴァディム)はベーシストでもあり、航空宇宙工学を学んだ経歴を持っています。
航空宇宙業界には進まなかったものの、その精密な設計思想はギター製作にも活かされています。

デュラルミンなどの金属パーツを用いた独自のハードウェア設計には、エンジニアとしての感覚が色濃く反映されていると言えるでしょう。

一方、弟のDima氏(ディマ)はギタリストでもあり、プレイヤーとしての視点を楽器製作に取り入れています。

演奏時の操作性や音作りの柔軟さなど、実際に演奏する立場だからこそ生まれる発想が、Valiant Guitarsの設計にも反映されています。

兄弟そろって演奏者でもあり、ミュージシャンのニーズを深く理解しながら長年ギター製作に携わってきたGavrilenko兄弟。
こうした姿勢が、Valiant Guitarsの根幹を形づくっているのです。

量産とは一線を画すValiant Guitarsの特徴

まず注目したいのは、デュラルミンやベルブロンズを用いた独自設計のハードウェアです。航空機グレードのアルミ合金を使用したブリッジや、ベルブロンズ製の調整式ナットなどは、このブランドを象徴する仕様のひとつと言えるでしょう。

また、電子回路の構成にも特徴があります
各ピックアップにはスライドスイッチが備えられており、シリーズ/パラレル/シングルといった配線をそれぞれ切り替えることができます。

一般的なコイルタップとは違い、ピックアップごとに設定できるため、ハムバッカーの厚みのあるサウンドからシングルコイルの軽快なトーンまで、一本のギターとは思えないほど幅広い音作りが可能です。

さらに、装飾パーツや木製ポインター付きノブなど、細部にも個性が見られます。
指板には三角形のインレイが採用されており、個性的でありながら視認性にも配慮されたデザインです。

他とは少し違う、唯一無二の一本を手にしたい。
そんなあなたに、一度触れてみてほしいブランドです。

モデル別に見るValiant Guitarsの魅力 ─あなたに合う一本はどれか─

Valiant Guitarsは現在、複数のモデルがラインナップされています。どれも手作業で丁寧に作られており、それぞれに異なる“鳴りの方向性”や“演奏性の特徴”があります。

それでは、現在ラインナップされている5つのシリーズについて見ていきましょう。

Jupiter

JupiterはValiant Guitarsの中でも高い汎用性を持つモデルです。

Fender Jaguarのようなオフセットデザインを基調としながら、スタジオでもライブでも扱いやすいバランスで設計されています。

回路面では、先ほど触れたスライドスイッチによる配線切り替え機構を備えており、ハムバッカーの厚みのあるサウンドから煌びやかなシングルコイルトーンまで幅広い音作りに対応します。

また、ネックにはチタン補強が施されており、長く安心して使えるよう配慮されています。

一本でさまざまな音色を扱いたいプレイヤーにとって、Jupiterは頼れる相棒になってくれるはずです。

Mercury

Fender StratocasterとJazzmasterを掛け合わせたようなシルエットを持つMercury。クラシックな雰囲気を残しながらも、細部にはValiant Guitarsらしい個性が感じられるモデルです。

ピックアップはSSHレイアウトを採用。
ファットなハムバッカーサウンドからクリアなシングルコイルトーンまで幅広く対応します。
さらに、Jupiterと同様にスライドスイッチによる配線切り替えを備えており、音作りの自由度も高い設計です。

伝統的なスタイルを好みながら、実用性や音作りの自由度も求めたい。
そんなプレイヤーにとって、Mercuryは自然と手に取りたくなるモデルといえるでしょう。

Soothsayer

本モデルはFender Stratocasterをベースとしたデザインを持ちながら、細部に独自の工夫が盛り込まれているのが特徴です。

本機の持つ特徴のひとつが、出力ジャックの配置です。
本体サイドではなく、やや奥まった位置に設けられており、ケーブルが演奏の邪魔になりにくいよう工夫されています。

また、ピックアップ構成の自由度が高い点も魅力的で、SSHやSSS、HHなどさまざまなピックアップ構成に対応しています。

さらに、ベルブロンズ製の調整式ナットを採用。
弦高を細かく調整できるため、演奏スタイルに合わせたセッティングがしやすい設計となっています。

王道のギターらしい雰囲気を持ちながら、演奏性にも配慮された一本です。

Smith

Valiant Guitarsの中では、Smithは少し雰囲気の違う存在です。

古くから愛されてきたギターデザインを土台にしつつ、Valiant Guitarsならではの工夫が随所に反映されています。

ボディはマホガニーをベースとし、その上にメイプルトップを組み合わせた構造を採用。
マホガニーが持つ温かく豊かな低音と芯のある中音域に、メイプル特有の立ち上がりの良さや明瞭さが加わることで、バランスの取れたサウンドを生み出します。

これに加えて、Swift-RS TOM ブリッジやベルブロンズ製サドルといった、振動をしっかり伝えるハードウェアが組み合わさることで、音の力強さと粒立ちの良さが両立しています。

Titan

このモデルのデザインのルーツには、世界初の量産型ソリッドギターとして知られ、ボルトオンジョイント構造の元祖ともいえる伝統的なスタイルがあります。

長年多くのプレイヤーに支持されてきたシンプルで実用的な構造をベースにしながらValiant Guitarsならではのアレンジが加えられています。

ピックアップ構成では、リアにハムバッカーを搭載している点も特徴のひとつ。
シングルコイル主体のスタイルに、ハムバッカーならではの太く力強いトーンが加わることで、より幅広いサウンドメイクに対応できる仕様となっています。

ブリッジやナットには独自設計のパーツが使用されており、音の芯がしっかりするように振動を逃さない造りになっています。

伝統的なギターの持ち味を大切にしつつ、現代のプレイヤーが求める音と弾き心地にも応えるモデルといえるでしょう。

改めて見るValiant Guitarsの魅力

ここまで紹介してきたように、Valiant Guitarsは単なる新しいブランドというだけではありません。

30年以上ギター作りを続けてきたGavrilenko兄弟が手がけ、素材や構造、細部の設計にまでこだわりが感じられるギターです。

大量生産の楽器が主流となった現代において、ここまで細部までこだわり抜かれた楽器に出会う機会は決して多くありません。

一本一本が工房で丁寧に作られているという点も、このブランドの大きな魅力と言えるでしょう。

そして、現在Valiant Guitarsを取り扱っているのは、日本国内ではGuitar Shop TONIQのみ。
カスタムオーダーにも対応しており、自分だけの一本をオーダーすることも可能です。

少しでも興味を持たれた方は、ぜひ一度その作りやサウンドを体感してみてはいかがでしょうか。

YouTubeでも魅力が分かる動画を公開していますので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

TONIQで扱っているValiant Guitarsはこちらから↓

Valiant Guitars / Mercury Olive Gloss

Valiant Guitars / Jupitor 3-Tone Sunburst

Valiant Guitars / Mercury Louisiana Ol’House